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歴史小説が楽しくなること請け合い:戦国の合戦 [歴史]


戦国の合戦 (学研新書)

戦国の合戦 (学研新書)




戦国時代をテーマにした映像で騎馬武者が集団で突撃しているシーンを見かけることも多いと思う。
しかし、そうしたシーンは実際には存在しない。騎馬武者には、鑓持ち、旗持ち等の従者が付き添い、騎馬武者1騎に対して3~5人程度の歩兵がつくのが当時の軍団編成であったのだ。
このように、戦国時代当時の合戦がどのように行われていたかが詳しく解説されており、本書を読めば、歴史小説等をより楽しめるようになる。
【目次】
序章 戦国合戦前史
第1章 戦国合戦の必然性
第2章 合戦に出ていった家臣団
第3章 戦いの準備と武具
第4章 武将たちの戦略と戦術
第5章 合戦の作法と軍師の仕事
第6章 新視点でみる戦国十六大合戦


本書のテーマはタイトル通り戦国時代の合戦だが、戦国時だと言っても時代によって大きく異なっている。

織田信長の台頭以前は兵農分離があまり進んでおらず、鑓足軽を集団で並べる様な運用はできなかったし、もちろん鉄砲も存在しない。
さらに、軍事行動を長期間維持できないので、籠城戦法がイメージと異なりかなり勝率の良い戦法であった。
籠城していると、攻撃側の兵糧がつきたり、農繁期に入って引き上げざるを得なくなり、そこを籠城側が追撃して勝利を収めることが頻繁にあったらしい。

次に信長の台頭移行は、兵農分離が進み、鑓・弓と言った武器を持った足軽で集団を形成し、兵器毎の運用が可能になっている。この時代になると、私たちが歴史小説でイメージする世界に近づいてゆき、槍衾を作る足軽の大群に弓兵が大量の弓矢を浴びせるような合戦が行われることになる。

そして、長篠の戦い前後に鉄砲が日本に普及すると武器の中心が鉄砲に染まり、戦いのあり方も大きく変わってくる。
戦国時代の合戦と一言で言っても、時代によって内容は大きく異なる。

そのほかにも、鎧・兜の内容や、旗と指物の違い、首実検の作法など興味深いネタがいっぱい詰まっている。

私が特に興味を引かれたのは軍師の存在。歴史小説で出てくる山本勘助のような軍師は、兵法に通じていて、作戦を立案するのが仕事のように見えるが、実際に軍師が必要とされたのは別の理由による。
軍師が必要とされた本当の理由は、日にちや天文から吉凶を占い、出陣する吉日を決めたり、縁起の良い方角を決めたりするためだ。
戦国時代の武将は縁起を担いだので、吉凶を山伏・修験者系統の軍師に占って貰っていたらしい。

このように、イメージをぶちこわす真実も混じっているが、それでも十分に面白い。
歴史好きなら間違いなく楽しめる一冊である。

☆☆☆★(☆三つ半)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090218#1234962737
http://mizutani.cocolog-nifty.com/book/2008/05/post_2a78.html
http://d.hatena.ne.jp/enamel/20081122/p1
http://green.ap.teacup.com/applet/denkow/1080/trackback
(評価しつつも若干苦言)
http://kurahachi.seesaa.net/article/100917346.html

若干不正確だったりするところがあるという指摘もあり。専門家や詳しい人から見れば新書だし、微妙なところがあるかもしれない。素人が楽しむ分には何の問題もなく楽しむことができる。





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