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思考実験を通じた日本社会批判:貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する [投資・マネー]


貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

  • 作者: 橘 玲
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/06/04
  • メディア: 単行本



会社員が自らを法人化するだけで、税金が安くなり、借金もしやすくなる。
私は本書を”投資マネー”のカテゴリに入れたが、本書は実用的なマネー指南書と言うよりも、リバタリアンの筆者が日本という歪んだ国を、シニカルに描いたルポルタージュという方が近いだろう。

【目次】
1 楽園を追われて―フリーエージェントとマイクロ法人の未来
 この国にはなぜ希望がないのか?
 フリーエージェント化する世界
2 もうひとつの人格―マイクロ法人という奇妙な生き物
 ふたつの運命
 「ひと」と「もの」 ほか
3 スター・ウォーズ物語―自由に生きるための会計
 資本主義とデス・スター
 自由に生きるための会計
4 磯野家の節税―マイクロ法人と税金
 マスオさん、人生最大の決断
 節税と脱税のあいまいな境界
5 生き残るためのキャッシュフロー管理―マイクロ法人のファイナンス
 フラワーチルドレンのファイナンス革命
 キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する ほか


本書で述べられているのは、非常にシンプルな事例だ。
サラリーマンが法人(マイクロ法人)を設立し、今までの雇用主は雇用を改め、業務委託契約としてマイクロ法人と契約する。そして、マイクロ法人は株主でもあり、唯一の社員でもあるサラリーマンに役員報酬を支払う。
要は、旧来サラリーマンが雇用主と結んでいた雇用契約の間に、ペーパーカンパニーを設立して間に噛ませる形式を取るのだ。

ここまで聞くと、なんでそんな意味のないことをするのかが理解できないと思う。
ところが、この意味不明な行動によって、サラリーマンが払う税金は限りなくゼロに近づき、しかも、住宅ローンよりも利息のかからないお金を1,000万円単位で借りることが出来るのだ。

なんでこのような意味不明の事態がまかり通っているかというと、理由は簡単。
戦後今までほぼ一貫して続いていた自民党政権は中小企業を票田としていたため、投票率の低いサラリーマンを虐げ、自分たちに票と金をもたらす中小零細の自営業者に手厚い制度を構築してきたからだ。
そして、その歪んだ構造は”弱者救済”を声高に叫ぶ頭の悪いマスコミからの追い風を受けて、資本家であるにもかかわらず、民主党政権においても保護され続けている。

このような日本の病理をマネー本の皮を被ってシニカルに描写するのが本書の真の姿だ。
サラリーマン・サラリーマンの家族の人は是非一読して欲しい。日本という国を考える良い機会になるはずだ。

☆☆☆☆(☆四つ)

最後に、実際にやる人はいないと思うけど、本書はあくまでも思考実験であり、真に受けて行動するとひどい目に遭うことは忠告しておく。貴方がマイクロ法人を設立して、会社に雇用契約を業務委託契約に変更するように恃んだ場合――
「そんな面倒くさい(前例のない)ことは出来ない」と言われたら貴方はまだ一応会社に必要とされている。
本当に危険なのは、「わかった。やりましょう」と言われて変更直後に委託契約を切られてしまうことだ。
虐げられているサラリーマンでも、日本の雇用契約ではほとんど解雇されないという唯一の歪みだけは味方につけているのだから。

他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://akira-enami.jugem.jp/?eid=919
http://strangedesign.jugem.jp/?eid=613
http://bookcomment.blog41.fc2.com/blog-entry-12.html
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51675090.html
http://bestbook.livedoor.biz/archives/50789806.html
http://myjournal.seesaa.net/article/122495913.html
皆さんそれなりに高評価。
他に書いている人もいらっしゃいましたが、主張・立場は池田信夫なんかに近い。
語り口はよりソフトで、より文学的で、よりシニカルだけど。






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