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努力万能教徒に読ませたい本:心はどのように遺伝するか [科学]


心はどのように遺伝するか (ブルーバックス)

心はどのように遺伝するか (ブルーバックス)

  • 作者: 安藤 寿康
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/10/20
  • メディア: 新書



人間の能力において、遺伝の占める割合はどの程度あるのか?
自己啓発本の著者などは、努力でほとんどのことを成し遂げられると言うだろう。
いわば、遺伝の占める割合は限りなく小さく、努力こそが万能だという考え方だ。

だが、そのような努力万能教は科学的に間違っている

【目次】
序章 偉大ないとこたち
第1章 遺伝のメカニズム
第2章 遺伝を測る
第3章 遺伝の多様性
第4章 遺伝のダイナミズム
第5章 遺伝から観た環境
第6章 遺伝と教育
第7章 遺伝の意味論


本書で取り上げられている研究は、一卵性双生児の類似性と、二卵性双生児や普通の兄弟との類似性を比較するもの。
一卵性双生児の類似性が他に比べて有意に高ければ、環境・教育よりも遺伝の方がその能力に与える影響が大きいことが証明される。

そして、本書で取り上げられている結果はある種衝撃的だ。
身長・体重のような身体的特徴だけでなく、IQに代表される学力系の数値まで、遺伝の及ぶ範囲は遙かに広い。この結論を持って、本書のタイトルは<「心はどのように遺伝するか」とされているのだ。
”心”と言うと抽象的だが、リスク嗜好性のように他人から見てパーソナリティとして捉えられるものの多くが遺伝による影響を受けているのだ。

では、この結論は具体的にどのようなことを意味するのだろうか?
まず、一部の自己啓発本のような努力万能教は間違えている
才能がない人がいくら苦手な分野で努力したところで、結果はたいしたものにならない
多くの人がうすうす感じているように、悲しいながら、これが現実だ。
苦手なジャンルで無駄な努力をするよりも、自分の持ち味・才能が活かせる新たな分野へのチャレンジを目指す方が理にかなっている。

次に、子供向け英才教育の多くは意味がないと言うことだ。
子供の時からバッティングセンターに通わせたからと言って、遺伝によって決定される能力がなければ、イチローになることは出来ない
逆に、特に何もしなくても、イチローのような遺伝があれば小学校に入ればリトルリーグに入るだろうし、そこでよい成績を上げてほめられるのでますます野球にのめり込んでいく。
子供向けには英才教育をするのではなく、子供がやりたいと言ったことに熱中させてやる環境を構築することこそが重要なのだ。

このように、世の中の教育産業の多くを敵に回しかねない本書だが、新書の割には読み応えも十分。
何かしらの教育にうんざりした人には是非読んで欲しい一冊だ。

☆☆☆☆☆(☆五つ。満点)

他のBlogの反応はこちら
http://nouko.at.webry.info/200704/article_2.html
http://d.hatena.ne.jp/ankotaiyaki/20100602/1275488376
http://self-growth.seesaa.net/article/170473019.html
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50147676.html
http://d.hatena.ne.jp/yahara/20080509/1210329366
http://a-gemini.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-1575.html

実はこのエントリはあえて煽りっぽく極端に書いている。 私の書きぶりに不快感を持った人ほど本書を手にとって欲しい遺伝とは何かがイメージではなく、正しく理解できる内容になっていて、遺伝で人を論じることの不快感が取り除かれるはずだ。





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