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精神科への信頼が揺らぐ……:心は実験できるか―20世紀心理学実験物語 [科学]


心は実験できるか―20世紀心理学実験物語

心は実験できるか―20世紀心理学実験物語




このエントリでも触れた「服従の心理」で書かれている、スタンレー・ミルグラムの有名なアイヒマン実験。
結果がすごく衝撃的なこともあり、実験自体は有名なのだが、その実験を行ったミルグラムはどういう人生を歩んだのだろうか?また、ミルグラムの実験が心理学の世界に与えた影響とは?
こうした事実が取材によって明らかにされているのが本書。

ミルグラム以外にも、スキナー、ハーロー、モニス(ロボトミー実験の人)と言った心理学の有名ドコロに対して、彼らの人生と、医大な実験が心理学の世界に与えた影響を取材している。
非常に読み応えの有る一冊だ。
【目次】
1 スキナー箱を開けて―スキナーのオペラント条件づけ実験
2 権威への服従―ミルグラムの電気ショック実験
3 患者のふりして病院へ―ローゼンハンの精神医学診断実験
4 冷淡な傍観者―ダーリーとラタネの緊急事態介入実験
5 理由を求める心―フェスティンガーの認知的不協和実験
6 針金の母親を愛せるか―ハーローのサルの愛情実験
7 ネズミの楽園―アレグザンダーの依存症実験
8 思い出された嘘―ロフタスの偽記憶実験
9 記憶を保持する脳神経―カンデルの神経強化実験
10 脳にメスを入れる―モニスの実験的ロボトミー


目次を見るだけで、そうそうたるメンバーが揃っている。
名前でピンとこなくても、実験の中身を見れば一度は見たり聞いたりしたことがあるものが多い。私も第3章のローゼンハンと第7章のアレグザンダー以外の実験は何らかの本で読んだことがあった。

心理学の実験で有名になる方法は、学術的に目新しいだけでなく、それを世間にわかりやすく発表する必要がある。冒頭に出したミルグラムのアイヒマン実験はその典型的なものだ。
だが、世間で有名になればなるだけ象牙の塔では反対意見も出てくるし、実験成果を疑う検証も多くなされることになる。ところが、一般のメディアや書籍は象牙の塔の反証については報道しないので、実験結果が良くも悪くもひとり歩きしやすい

本書はそうした状況に一石を投じるもので、過去の有名な心理学実験に対して起こった世間や学会内の反応を取材し、偉大な実験の現在の立ち位置について筆者の意見が述べられている。
こうした科学モノには珍しく、筆者の独自の見解・主張が多く入っているのでくせがあることは事実だが、心理学の理解を高めるためには非常に役に立つ一冊

あなたは、ロボトミー手術が復権する可能性を信じられますか??

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)
※ただし、ある程度心理学に興味があってその系統の本を何冊か読んでいる人にしか楽しめないと思う。

他のBlogの反応はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/BlackBird/20080427/p1
http://skywriterbook.blog68.fc2.com/blog-entry-411.html
http://www.kanshin.com/keyword/823284
http://ichiniinii.seesaa.net/article/29737598.html
http://d.hatena.ne.jp/pongeponge/20110917/1316252566

知る人ぞ知ると言った感じのエントリ検索結果。
もうちょっと広く知られてもいいだけのクオリティが有る。






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