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社会学者の自己満足?:地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会 [社会]


地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)

地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)

  • 作者: 阿部真大
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/06/13
  • メディア: 新書



社会学者の自己満足そのものの一冊。
社会学の内輪の世界ではそれなりに評価されるコラム(論文や有料のレポートレベルには達していない)なのかもしれないが、学者の外の世界のヒトには何も響かない困った一冊。

【目次】
現在篇 地方にこもる若者たち
 若者と余暇―「ほどほどパラダイス」としてのショッピングモール
 若者と人間関係―希薄化する地域の人間関係
 若者と仕事―単身プア/世帯ミドルの若者たち
歴史篇 Jポップを通して見る若者の変容
 地元が若者に愛されるまで
未来篇 地元を開く新しい公共性
 「ポスト地元の時代」のアーティスト
 新しい公共性のゆくえ


本書は筆者が岡山県倉敷市周辺の若者(30代を含む)へのインタビューと邦楽のヒットチャートの考察から若者の地元意識の変化を論じた内容。大雑把に言うと何もない脱出するべき対象としての地元から、一生をそこで過ごしたい愛すべき地元への変化が起こっているというのが本書の大きな流れだ。

本書で論じられている変化自体は「そういうことも有るのかも」と思われるのだが、東京のそれなりの規模の企業に勤めていると地方出身者は相変わらず毎年多数入ってくるので、一体どの層が地元に留まっているのだろう?という思いは拭えない。

おそらく、地元を愛してそこに残り続けるヒトと海外・東京へ進出するヒトとは階層・受けた教育・家庭環境など何かが異なるのだろう。だが、そこの分析は本書ではなされていない。そもそも、地元を離れる若者が増えているのか減っているのかすら本書では言及されていないのだ。

本書の問題はデータが少ないことだけではない。データが少ない本でも三浦展の「下流社会 新たな階層集団の出現」などは説得力はともかく、インナーサークル以外の人が読んでも新しい視点を得ることが出来る内容になっている。

だが、本書は社会学者の人が読めばそれなりに評価できるのかもしれないが、ビジネスマンが本書から新たな気づきを得られるような考察にはなっていない。ビジネスや教育など、他のジャンルの視点が全く無く、純学者的な視点になっているのが本書最大の欠点だ。

そもそも2013年の出版であるにもかかわらず、鳩山内閣のキーワード「新しい公共」を肯定的な意味で使っている時点で世間からは相当ずれていることがわかるだろう。
新書にありがちなタイトルはいいけど、中身を見るとがっかりするパターン。本書は相当に人を選ぶだろう。

☆☆(☆二つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://www.maemuki.org/archives/52321027.html#.UxSHxoURdvI
http://blog.livedoor.jp/teddy__boy/archives/51973332.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kawai4414/64136446.html
http://blog.livedoor.jp/apoly1998/archives/51981740.html
http://blog.livedoor.jp/takunyan223/archives/29719370.html
http://fujinobu.seesaa.net/article/375371825.html
http://d.hatena.ne.jp/totuka/20130823/1377316732

一定の層には高評価。地元振興のNPO屋さんや、左派的な思想・活動家には良い評判のようです。
地元を愛する心を肯定するのは本来右派のはずなのですが、本書は出版元も朝日新聞出版だし、左派に受けがいい模様。うーむ……。






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コメント 1

みれい

はじめまして。
実際に地方の若者の声を聞こうとすると手間や時間やお金がかかってしまいますし、ここまで話してもらえるかも分かりません。
ということで地方の若者がどんな意識を持っているのか一般の人が垣間見るのにはこの本は価値があると思います。

原田 曜平著「ヤンキー経済」(幻冬舎新書)を読んだときもそうでしたが、
‘地元で就職する人’もいれば
‘地域外に進学・就職する人’もいる(子どもの頃の生活に不満を抱えて出て行く人も含む)のは
以前も今もで、特に新発見というものでもないと思うのですが。
by みれい (2014-12-15 22:26) 

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