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商人と軍人。勝つのはどっちだ?:自滅する中国 [社会]


自滅する中国

自滅する中国

  • 作者: エドワード・ルトワック
  • 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



米国の(地政学)戦略シンクタンクの職員が書いた中国の将来。
中国については拡大シナリオ・破綻シナリオなど色々な将来を語る人がいるが、筆者は中国の台頭は自滅的なやり方で進んでおり、今のままでは周辺諸国の反発によって中国は押さえつけられるであろうと予測する。
米国の軍事系識者としては一般的な見方なのかもしれない。

【目次】
第1章 <反発なき強国化>がまちがっている理由
第2章 時期尚早の自己主張
第3章 「巨大国家の自閉症」を定義する
第4章 中国の行動における歴史の影響
第5章 中国の台頭で生じる地政学的反抗
第6章 中国の強国化とそれにたいする世界の反応
第7章 無視できない歴史の比較
第8章 中国は成功を約束する大戦略を採用できるか?
第9章 戦略のける古代の愚かな知恵
第10章 歴史の記録から見える戦略面での能力
第11章 避けられない反発の高まり
第12章 なぜ現在の政策は続いてしまうのか
第13章 オーストラリア―同盟の模索
第14章 日本―離脱からの離脱
第15章 反抗的なベトナム―新たな米国の同盟国?
第16章 韓国―天下システムにおける典型的な従属国?
第17章 モンゴル―反中同盟の最北の前哨基地?
第18章 インドネシア―排斥主義から同盟へ
第19章 フィリピン―「敵」に回してしまう中国
第20章 ノルウェー―ノルウェーはありえない!
第21章 アメリカの三つの対中政策
第22章 結論と予測
付録 「平和的台頭」の興亡


経済面における中国の重要性は年々高まっている。筆者も中国の経済面については比較的楽観的な見方をしており、中国が経済面で大きく失速することは予測していない。
反面、経済力を身に着けるとともに軍事的プレゼンスを高めて居ることについては批判的で、その拡大を”自滅的”と表現している。

尖閣諸島で一方的に押し込まれている日本からするとやや楽観的すぎる見方であるとも思えるのだが、尖閣・南沙・チベットと色々なところに火種を抱えるような国力の膨張は周辺諸国を団結させ、中国に対する包囲網を形成させるであろうというのが筆者の基本的な主張だ。

目次を見てもらえればわかるが、(ロシアを除く)中国を取り巻く主な国々について個別に確認し、ただひとつの例外をのぞいては中国包囲網が芽生えつつ有る現実を筆者が分析している。
なお、「ただひとつの例外」は韓国であり、東アジアの安全保障のフリーライダーである韓国は中国に取り込まれる方向で進んでいることを筆者は不思議に思いつつも既定路線として言及している。

最後に筆者は米国について分析し、経済重視によって中国との共存を望む財務省路線対決を避けられないとする国務省路線封じ込めを志向する国防総省路線と三つの路線が国内で主流を争っているとしている。
筆者は軍事系の識者なのでどちらかと言えば国防総省に近い意見のように思えるが、日本から見る米中の現実は財務省の路線が優勢に見える。この米国の主流は争いでどの派閥が生き残るかによって中国の運命は変わってくるのだろう。

そして、財務省・ウォール街の経済優先主義が勝つのであれば、今後は軍事面からの国際情勢分析はその価値を大きく毀損していくだろう。今後の世界情勢の見方のベースをどこに置くか?という面からも米国の対中国戦略の行末は目が離せない。

全般的に筋は通っているし、オリジナリティの高い意見で非常に興味深く読み進めることが出来る
日本に住む身からすると、米国が中国との完全な共存を選んで日本の存在感が霞んでいくのも嫌だし、反中国包囲網ができてその最前線に立つ(韓国は中国側なので、日本は必然的に最前線になる)のも嫌なのであまりいい未来が見えないのは残念だが……。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/05fe6cf720f7b1656e7629d9ea9cceac
http://blogs.yahoo.co.jp/iron_rain_chie/40148331.html
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http://juzji.jugem.jp/?eid=5434
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