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ダイエッター必読!!:フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠 [社会]


フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

  • 作者: マイケル モス
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2014/06/04
  • メディア: 単行本



ピューリッツァー賞受賞ジャーナリストが、大手加工食品メーカーが売上を伸ばすために行っている努力を取材してまとめた一冊。

加工食品メーカーは売上を伸ばすために、顧客を一種の中毒に陥らせている。
その時に使われる材料が、表紙にも書かれている、Salt(塩分)、Sugar(砂糖)、Fat(脂肪)だ。
【目次】
第I部 糖分
|第1章|子どもの体のしくみを利用する
|第2章|どうすれば人々の強い欲求を引き出せるか?
|第3章|コンビニエンスフード
|第4章|それはシリアルか、それとも菓子
|第5章|遺体袋をたくさん見せてくれ
|第6章|立ち上るフルーティーな香り

第II部 脂肪分
|第7章|あのねっとりした口当たり
|第8章|とろとろの黄金
|第9章|ランチタイムは君のもの
|第10章|政府が伝えるメッセージ
|第11章|糖分ゼロ、脂肪分ゼロなら売り上げもゼロ

第III部 塩分
|第12章|人は食塩が大好き
|第13章| 消費者が求めてやまない素晴らしい塩味
|第14章|人々にほんとうに申し訳ない
|エピローグ|我々は安い食品という鎖につながれている


目次を見てもらえれば分かるように、加工食品メーカーは糖分、脂肪分、塩分でユーザーを中毒にして利益を上げている。

まず、第一部で取り上げられる糖分については、食品メーカーの科学者たちが、「至福ポイント」と呼ぶ一番受け入れられやすい糖分濃度を作りこむべく必死の試行錯誤を繰り返している。
その努力は想像を超えるもので、ターゲット層が大人か子供か(子どもは糖分濃度の高い食品を好むので、大人向けに比べてはるかに甘くつくる)、新規ユーザーか既存のユーザーか(ヘビーユーザーに売り込むために、期間限定○○味と言ったライン拡張が行われる)と言った要素を細かく分析して商品が作りこまれている。

もちろん、メーカー側からするとユーザーの健康は二の次で、肥満が増えようがお構いなしに食品の糖分濃度が上げられていく
特に、飲料の糖分は人間が限界を感知できないままに摂取されてしまうので、甘い食品以上に肥満に繋がりやすいことがわかっている。だが、清涼飲料水のメーカーが糖分を下げることはないし、課税や規制に対しては科学者を動員して反対活動を行っている。

それでも糖分については、人間に好まれる限界があるだけマシかもしれない。
第二部で取り上げられる脂肪分は「至福ポイント」がなく、脂肪分が有れば有るだけ人はその食品を魅力的に感じることになる

当然、メーカーはユーザーをつなぎとめるために脂肪分を最大限活用する
本書で取り上げられている例では、健康意識の高まりから無脂肪乳が好まれるようになったことに伴い、余るようになった脂肪分をメーカーはチーズに加工して売りだした。
チーズはその成分のほとんどが脂肪分なのだが、タンパク質を含む伝統的な食品であるという良いイメージがあるので健康意識の高まりがあっても売上を落とすことはなかった。さらに、メーカーは政府のガイドラインにも政治力を発揮して、チーズを好ましい製品として盛り込むことに成功してしまう。
良心の呵責から解き放たれた脂肪分がどれほどユーザーの心をつかんだか?米国でのチーズ消費量が右肩上がりで増えているのがその結果である。

そして、本書第三部で取り上げられるのは塩分。
塩分のとりすぎは高血圧からの心臓疾患を引き起こすことが明らかになっており、健康のためには減塩が求められる(肉体労働者でなければ、必要とされる塩分は非常に少ない)。
だが、塩分は非常に安価な食品添加物であり、質の悪い食品や添加物の味の影響を覆い隠すのに最適であることから、使用が減らされること無く使い続けられている。

塩分については、米国でも食品ではなく添加物として扱うべきだという議論があったらしい。
添加物になると、規制の対象になり警告表示などの措置を講じなければならなくなる。
当然のことながら食品メーカーは政治力を駆使して、その動きを潰してしまった。

このように食品メーカーは規制や健康上の議論をすり抜けて、ユーザーを中毒にして売上を伸ばしている。
科学者を駆使して、人間の本能に働きかけているので、普通の人がメーカーの思惑に逆らうのは相当強い意思がないと難しい
本書でも取り上げられているが、特に子どもに対しても容赦無いマーケティングが行われているので、良くて将来の中毒者予備軍、悪ければ生活習慣病という状況になってしまっている。

このエントリでは「食品メーカー」とか「清涼飲料水メーカー」と書いたが、本書ではコカ・コーラ、ペプシコ、ネスレ、クラフト、ゼネラルフーズなど、そうそうたる企業が実名で描かれている。
現代を生きるものとして、加工食品からきっぱり手を着ることは難しいが、中毒になって健康を損なわないためには必読の書であるといえる。

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)

最後に、本書が肥満の多い米国特有の事情だと思っている人は、はっきり言って甘い
日本でも塩分と脂肪分たっぷりのラーメンがブームになっていることからも分かるように、人間であれば砂糖・脂肪・塩を求める欲求からは逃れられないのだ。

他のBlogの反応はこちら。
http://manatakebooks.seesaa.net/article/402630152.html
http://gcnqf306.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-8750.html
http://yasagurekaori.blog.so-net.ne.jp/2014-09-02
http://yudu100.blogspot.jp/2014/08/blog-post.html






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