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東京に家を持とう:狭小邸宅 [小説]


狭小邸宅 (集英社文庫)

狭小邸宅 (集英社文庫)

  • 作者: 新庄 耕
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/02/20
  • メディア: 文庫



不動産営業マンを主人公にした小説。
かなり詳細な取材がされていて、実話に近い小説である。

不動産営業と聞いて世間が思い浮かべる典型的な事例に近い不動産営業マンが本書の主人公。
・厳しいノルマと、未達成者への恫喝
・売れれば正義という社風
・お客は自分に取ってのコマでしか無いという意識
などなど、これこそが不動産営業というイメージを地で行っているのが本書に出てくる企業であり、主人公の営業マンだ。

では、このご時世に上記で書いた酷い業界・営業マンが駆逐されないのか?
その真実が本書では明らかになる。
平たく言うと、不動産を買う顧客で、当初の時点から自分の要求仕様が明らかになっている人はほとんどいないのだ。

もちろん、業界側の情報提供が不明確なため顧客が要求を固めきれないという面はあるのだが、それ以上に顧客側が不可能な要求を要望している。
それが故に、まっとうな方法では成約しないので、非人間的な業界になってしまっているというのが現実だ。

本書で出てくるように、8,000万円程度の予算では、世田谷にまともな戸建てを建てることは不可能。サラリーマンは基本的に、きちんとした家を東京で持つことはできないのだ。
それでも、4,000万~6,000万円と言った予算で家を買いたい顧客はどんどんやってくる。
まっとうな業界では、そのような人々は顧客ではないのだが、不動産業界はそうした予算不足の人々を顧客とするためのノウハウの代償として人間性を失ってしまっているのだ。

東京の不動産市場を見ると、こうした戸建て営業は大手の寡占化が進んだマンション業界に駆逐されつつ有るようにも見えるが、まだまだ戸建て営業がいなくなる雰囲気にはない。
当分の間、予算不足の顧客に現実を教えてお金に変える本書のような不動産営業マンが存在して、多くの人が心を失っていくのだろう。

小説として面白いというのも有るのだが、業界の実態として読むにも面白い内容。
フィクション嫌いの人でも、本書ならば不動産業界の内幕として面白く読めるような内容だ。

☆☆☆☆(☆四つ)

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