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もちろん国民的性質は変わってない:昭和史 1926-1945&昭和史 戦後篇 1945-1989 [歴史]


昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

  • 作者: 半藤 一利
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2009/06/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

  • 作者: 半藤 一利
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2009/06/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ジャーナリストの語る「昭和史」
筆者のライフワークだけあり、非常によく調べられている。

また、戦前・戦後で分かれているのもポイントが高く、変わらないことと変わったことが非常に際立っている。

【目次: 1926-1945】
昭和史の根底には“赤い夕陽の満州”があった―日露戦争に勝った意味
昭和は“陰謀”と“魔法の杖”で開幕した―張作霖爆殺と統帥権干犯
昭和がダメになったスタートの満州事変―関東軍の野望、満州国の建国
満州国は日本を“栄光ある孤立”に導いた―五・一五事件から国際連盟脱退まで
軍国主義への道はかく整備されていく―陸軍の派閥争い、天皇機関説
二・二六事件の眼目は「宮城占拠計画」にあった―大股で戦争体制へ
日中戦争・旗行列提灯行列の波は続いたが…―盧溝橋事件、南京事件
政府も軍部も強気一点張り、そしてノモンハン―軍縮脱退、国家総動員法
第二次大戦の勃発があらゆる問題を吹き飛ばした―米英との対立、ドイツへの接近
なぜ海軍は三国同盟をイエスと言ったか―ひた走る軍事国家への道
独ソの政略に振り回されるなか、南進論の大合唱―ドイツのソ連進攻
四つの御前会議、かくて戦争は決断された―太平洋戦争開戦前夜
栄光から悲惨へ、その逆転はあまりにも早かった―つかの間の「連勝」
大日本帝国にもはや勝機がなくなって…―ガダルカナル、インパール、サイパンの悲劇から特攻隊出撃へ
日本降伏を前に、駆け引きに狂奔する米国とソ連―ヤルタ会談、東京大空襲、沖縄本島決戦、そしてドイツ降伏
「堪ヘ難キヲ堪ヘ、忍ビ難キヲ忍ビ…」―ポツダム宣言受諾、終戦
三百十万の死者が語りかけてくれるものは?―昭和史二十年の教訓
ノモンハン事件から学ぶもの

【目次:戦後編】
天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後―敗戦と「一億総懺悔」
無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策―GHQによる軍国主義の解体
飢餓で“精神”を喪失した日本人―政党、ジャーナリズムの復活
憲法改正問題をめぐって右往左往―「松本委員会」の模索
人間宣言、公職追放そして戦争放棄―共産党人気、平和憲法の萌芽
「自分は象徴でいい」と第二の聖断―GHQ憲法草案を受け入れる
「東京裁判」の判決が下りるまで―冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
恐るべきGHQの急旋回で…―改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
朝鮮戦争は“神風”であったか―吹き荒れるレッド・パージと「特需」の嵐
新しい独立国日本への船出―講和条約への模索
混迷する世相・さまざまな事件―基地問題、核問題への抵抗
いわゆる「五五年体制」ができた日―吉田ドクトリンから保守合同へ
「もはや戦後ではない」―改憲・再軍備の強硬路線へ
六〇年安保闘争のあとにきたもの―ミッチーブーム、そして政治闘争の終幕
嵐のごとき高度経済成長―オリンピックと新幹線
昭和元禄の“ツケ”―団塊パワーの噴出と三島事件
日本はこれからどうなるのか―戦後史の教訓
昭和天皇・マッカーサー会談秘話


本書を読んで書きたいことはたくさんあるのだが、うまくまとめられる自身がないので、戦前と戦後で変わったこと・変わらないことの視点で列挙する。

【戦前・戦後で変わったこと】
・人材が豊富になった
⇒戦前の昭和史はほとんど同じ名前の人たちで回っている。戦争によって次世代リーダーとなるべき若手が死んだり、家柄が重要な役目を持っていたりするのが主な理由だが、その傾向は戦後(と言うより吉田茂以降)になって解消されていく。
戦後はよくも悪くも総理大臣ですら次々と変わり、いろいろなリーダーが出てくる。この点は賛否両論あるだろうが、リーダー層が厚くなったことは戦後ニッポンが伸びていく原動力になっている。

・他国に対する感度
⇒戦前の昭和時代においては、政策決定においては他国に対する配慮がほとんどされていない。日清・日露戦争で勝ち、第一次世界大戦で欧州の力が弱まったことなどが原因なのだろうが、ほぼ日本の事情だけを持って政策決定されている(かなり偉い人でも外国の動向に無頓着な人が多い)。
反対に戦後は戦争で負け、GHQの意向に反することができなかったという事情があるため、米国を筆頭にした外国の意図には非常に敏感になっている。この傾向は現在までも続いているように思われる。


【戦前・戦後で変わらなかったこと】
・サンクコストの見切り
⇒戦前・戦後共に日本の政策には強い慣性が働いている。一度決まったことを大転換することができないのだ。リーダーシップよりも合意が重視されるために、利害関係者の多い重大案件ほど適切な変更ができなくなる。
最初に「朝鮮・満州の確保」を選んで失敗した戦前も、最初に「親米・軽武装・通商重視」を選んで成功した戦後も政策転換が殆どできなかったという点では共通している。

・昭和天皇
⇒天皇の法的役割は戦前・戦後で大きく変わっているが、昭和天皇ご自身が戦前・戦後で大きく変わったという印象はない。

以上はあくまでも感想の一端。
戦争に向かって突き進む日本についてはもっと語りたいこともいっぱいあるし、筆者が戦後編で触れなかった田中角栄以降についても、老齢の筆者と異なりまだまだ現役の私としては思うところはたくさんある(個人的には田中角栄は戦後の総理大臣でワーストを争う位置にいると思っている)。

分量は多いのだが、時間のあるときに読む価値のある一冊だ。
☆☆☆☆☆(☆5つ。満点!)

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