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日本はこれから豊かになる?:10万年の世界経済史 [経済]


10万年の世界経済史 上

10万年の世界経済史 上




10万年の世界経済史 下

10万年の世界経済史 下

  • 作者: グレゴリー・クラーク
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2009/04/23
  • メディア: 単行本



原始時代から産業革命後までの世界経済を概観し、
それぞれの時代に豊かさを決めるのは何か?
についての考察を行った一冊。

筆者がまえがきで書いているように、本書は
文庫 銃・病原菌・鉄」の経済バージョンのような内容を目指した作りになっている。

【目次】
序文
謝辞

第一章 概論 世界経済史のあらまし

第一部 マルサスの罠――1800年以前の経済活動
第二章 マルサス的経済の論理
第三章 生活水準
第四章 出生率
第五章 平均余命
第六章 マルサスとダーウィン――もっとも豊かな者が生き残る社会
第七章 技術進歩
第八章 社会制度と経済成長
第九章 近代的な人間の登場

第二部 産業革命
第一〇章 近代的な経済成長――国富の形成
第一一章 産業革命の謎
第一二章 英国の産業革命
第一三章 産業革命はなぜ中国やインド、日本ではなく、英国で起きたのか
第一四章 産業革命の社会的影響

第三部 大いなる分岐
第一五章 1800年以降の世界における経済成長
第一六章 格差拡大の近因
第一七章 なぜ世界全体が発展しなかったのか
第一八章 結論 未知の新世界
数学的補遺
参考文献
索引


本書が上下巻に分かれているのは分量だけの問題ではなく、世界経済の動きに合わせた構成になっている。
世界経済においては産業革命の前後で経済の作りが大きく変わっているのだ。

①産業革命以前
産業革命以前は中世でも、原始時代でも経済の作りはほとんど変わっていない。
この時代において、豊かさを決める唯一にして最大のファクターは「人口」なのだ。
そして、世間一般で信じられているように、働き手としての人口が多いほど豊かになるわけではなく、人口は少ないほうが人類は豊かになるのだ。

産業革命以前においては、
人口増⇒収入減⇒(生活環境悪化による)人口減⇒収入増⇒人口増
このサイクルをひたすら繰り返していたことが明らかになっている。

ポイントは豊かになったから人口が減るのではなく、人口が減ったから豊かになるという因果の流れ。
ここが世間の常識とずれているポイントであり、非常に興味深い点でもある。

例えばこの流れからすると、人口減少が始まった日本は一人あたりは豊かになっていく可能性があるということだ。にわかには信じられないが、いわゆる”小国”が経済的にうまく言っているケースが多いことを考えると、荒唐無稽とは言い切れないようにも思えてくる。

②産業革命以降
産業革命までは、人口増⇒収入減⇒(生活環境悪化による)人口減⇒収入増⇒人口増のサイクルをひたすら繰り返し、経済も人口規模も発達しなかった世界がなぜ人口増と収入増を両立できるようになったのか?
そして、その中で豊かになる国と貧しいままの国がわかれた理由は何なのか?
これが本書下巻のテーマ。

筆者はこれらの原因を”労働者の質”に求めている。
勤勉・優秀・生産性の高い労働者が多かった国は収入増と人口増を両立させ、原始時代から停滞していた経済にブレイクスルーを起こすことが出来た
反対に、労働者の生産性が低い国は、技術の革新にもかかわらず従来の経済の延長線上を生きることになったのだ。

下巻のポイントは、労働者の給与水準はあまり関係なく、労働者の生産性によって豊かになった国となれなかった国が分かれていったという点。
常識的には、給与水準が安い国に工場がいてんして、経済水準は先進国にキャッチアップしていくというのが一般的な理解だが、歴史的に見るとそのように動いている事実はないのだ。

この流れからすると、日本の没落が言われて久しいが、労働生産性が大きく落ち込んでいるわけではないので、日本経済の先行きは悲観するほどではない。という結論もありそうだ(英語という問題は引き続き残り続けるが……)。

経済という面に特化した歴史。
日本史や世界史を学んできた人ならば、本書を通じて新たな歴史の見方が可能になるだろう。

☆☆☆☆(☆4つ)

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