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人の罪を人が測る:ぼくのメジャースプーン [小説]


ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: 文庫



辻村深月の作品を読むのは初めてだったが、本書は読み応え十分。
これだけの作品を作る作者なら、他の本も読んでみたいと強く思わせる力を持った一冊。

本書のストーリー

主人公の"ぼく"は不思議な力を持っている。
その力は、「△△しなければ××の状態になる」と言う形で、ゲームを一方的に課すことが出来ると言うもの。
小学校のウサギが虐殺され、親友のふみちゃんが深い心の傷を負ったことに対して、"ぼく"が犯人にどのような行動を課すかについて悩み、行動する。


本書はミステリとは言いながら、犯人を探したり、殺害方法を探ったり、宝物を探したりするストーリーではない。
犯人は明確になっており、しかも主人公は犯人を一方的に裁くことの出来る力を持つ。
そうした中で、小学生の主人公はどのような罰を犯人に与えるのか?
同じ力を持つ大学教授の親戚と会話をしながら犯人に与える罰を一週間かけて考え続ける。その中で、人のあり方、罪と罰の関係、被害者との関係などに思い悩むのが本書の重要部分だ。

本書では一応の結末が示されるが、犯人捜しのミステリと違って、主人公が考える罰のあり方には正解がない。
私も大学で刑法を学んだのだが、専門的な立場でも罪と罰の関係については諸説存在し、一様に決めることは出来ないのだ。さらに、主人公のように被害者に淡い恋心を抱く濃い関係を持った人ならば、悩んで当然、決められなくて当然なのだ。


裁判員制度も始まって、人を裁く、人に罰を与えるという行為が現実化してきた現在では、気軽な小説の体裁をとった本書を読んで考えてみると良いだろう。ヘタな入門書を読むより、思うこと・得るところが多いだろう。

余談にはなるが、本書での結末はミステリらしく、驚きの部分も含まれる。その部分のクオリティも高い。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.livedoor.jp/soleil1/archives/51996887.html
http://solitariopagliacio.blog54.fc2.com/blog-entry-9.html
http://blog.livedoor.jp/taisuke777777/archives/1297325.html
http://t-saito.cocolog-wbs.com/tsaito_doc/2009/09/post-326d.html
http://mamwalk.exblog.jp/10974323
http://hidebook.seesaa.net/article/122402802.html

皆さん高評価。
早く辻村深月の他の作品に当たらねば……
でも、積ん読もいっぱいあるんだよなぁ





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コメント 2

t-saito

トラックバックありがとうございました。

この本は良いですね。僕も辻村さんはあまり読んでいませんが、
「スロウハイツの神様」は良い本でした。

こちらからもトラックバックさせてもらいます。
ありがとうございました。
by t-saito (2009-09-28 18:13) 

book-sk

>t-saitoさん
コメントありがとうございます。

私も筆者の作品はこの本が初めてですが、非常にいい出来でした。
他の本もこの水準だと嬉しいですね……
by book-sk (2009-09-28 22:32) 

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