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新築から中古への転換:空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ [経済]


空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ

空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ

  • 作者: 米山 秀隆
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2012/06/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



今日本では空き家が急増している。
と言っても、私のように東京に住んでいる人間には全然ピンとこない。
それもそのはずで、本書によると、東京の住宅需給がピークアウトするのは2020年頃らしい。
とは言え、日本の多くの地域では受給はすでにピークアウトし、空き家が急増しているのが現実だ。


【目次】
第1章 「住宅・土地統計調査」からわかる空き家の実態
第2章 地域の実態調査から見た現状
第3章 将来展望
第4章 空き家対策
第5章 空き家を活用した住宅市場の再構築
第6章 積極的活用に向けて


本書は、そうした空家急増の現実を明確にした上で、その実害を説く。
空き家はただ単に土地が有効活用されていないという功利主義的な面からのマイナスのみならず、不審者が住み着く・放火のターゲットになる・管理の行き届いていない建物が崩壊するといった治安上のマイナスを多く持つ

空き家のマイナスは戸建以上に集合住宅では深刻で、集合住宅の一定程度が空き家になると、残った家の共益費負担は増し、手入れの行き届かないところが増えてくる。
当然のことながら、手入れの行き届かないマンションは戸建以上に危険だ。

このあたりの事情は最初にも書いた通り、東京ではまだまだ実感できない。
だが、確実に空き家による治安のマイナスが発生している地域はあるし、人口減少の流れが避けられ無い以上、空き家に悩む地域は増える一方だ。

そうした実情と近未来予測を明確にした上で、筆者は哲や増加を防止するための政策を提言する。
本書の提言は、住宅ローン減税や、賃貸経営によって固定資産税負担を軽減できるといった新築優遇施策を廃止することに主眼がある

私はこの提言には若干の疑問がある。
新築抑制は長い目で見ると必要なのだが、現在賃貸で提供されている住宅の劣悪さを考えると、今の状態から新築抑制に舵を切るのはユーザのニーズに合っていないように思えるのだ。
私は、高品質な賃貸物件を市場に供給する政策にかじを切った上で、魅力が低下して市場からこぼれ落ちていく古い住宅を取り壊す政策を実行するべきだと考える。
具体的には、優良な住宅への補助+固定資産税を増税してフラット化することなどがいいのではなかろうか。

本書の問題意識は至極もっともで、データも揃っている。
ただ、本書が重視しているのは数の面における受給で、質の面をあまり見ていない。
日本全国と東京という地域による差はあるのだろうが、私はそこだけが気になった。

☆☆☆★(☆3つ半)

他のBlogの反応はこちら。
http://honyonderu.blog28.fc2.com/blog-entry-2455.html
http://d.hatena.ne.jp/takahiro_kihara/20120904/1346746930
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120721/1342861450
http://d.hatena.ne.jp/ysadaharu/20120804/1344081040
http://kia357.blog125.fc2.com/blog-entry-679.html
http://blog.livedoor.jp/bairoito1/archives/52065000.html

意外とエントリ数も多いし、真剣に考えている人が多い。
この問題は、近い将来新聞などが追いついて社会問題化するのだろう。






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コメント 1

Kiankou

TBありがとうございます。質の良い賃貸物件を優遇せよとの本読みの記録さまのご意見、私も同感です。
by Kiankou (2012-10-15 10:02) 

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