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誰が楽しむ本なんだろうか?:「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー [スポーツ]


「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)

  • 作者: 高橋 秀実
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/02/28
  • メディア: 文庫



読めば読むほど色々と引っかかる。正直に言うと余り薦められない内容だ。

まず、タイトルが日本語的におかしい「弱くても勝てます」じゃなくて「下手くそでも勝てます」が正しい日本語だろう。とか、結局勝てていないじゃないか。などの初歩的な批判以外にも突っ込みどころが多すぎる。
【目次】
1回 エラーの伝統
2回 理屈で守る
3回 みんな何かを待っている
4回 結果としての甲子園
5回 仮説の検証のフィードバック
6回 必要十分なプライド
7回 ドサクサコミュニケーション
8回 「は」ではなく「が」の勝負
9回 ややもすると甲子園


タイトルを見ればわかるように、本書は開成高校野球部の常識ハズレのセオリーに焦点を当てた内容。
野球では守備力を鍛えてロースコアでの勝ちを目指すのが弱者のセオリーとされているが、練習時間の少ない開成高校に置いては守備力を鍛えることは不可能なので打撃を優先的に鍛え、相手がパニックになっている間にコールド勝ちを目指すのが開成高校のセオリーだ。

この常識はずれのセオリーに注目したのはいいのだが、その後の作りが良くない。
まず、「マネー・ボール」のようにビジネスマンに受ける内容にしよと思うなら、比較対象を定めた上で開成高校のセオリーの有効性を検証する必要があるのだが、本書は全くそれがなされていない。

東京には開成高校と同じぐらいの偏差値の男子高校も有るだろうから、そことの比較を追いかけるなりすればいいのだが、全く検証がされていないため、セオリーの有効性が全くわからない。

では、スポーツとして開成高校のセオリーが甲子園に行く近道かというとおそらくそれも間違っている。
強豪高校に一回勝てば甲子園という出場校の少ない都道府県ならともかく、東京だと2~3の強豪高校に勝たないと甲子園にはいけないはず。そう考えると、相手の混乱に乗じて勝とうとする本書の戦法は1つは勝ててもそれが続くことは期待できないので甲子園に行くための近道とはいえない。

本書でも書かれているように、東大野球部出身の監督が生み出したこのセオリーはリーグ戦で勝ち星を稼ぐのに最適化された戦法だ。
(余談だが、甲子園に行くための正しい戦略は守備を可能な限り鍛えて、プロ入りできそうなレベルのエース兼四番打者が入学してくれるのを待つことだろう)

それでも本書にスポーツ小説並みに感情移入できる登場人物が出てくるなど読み物として面白いならいいのだが、そんなことはない。本書は複数年にわたって開成高校を追いかけており、複数の代のプレイヤーが登場するため、登場人物からは一つのチームを構成するプレイヤーとしての魅力は感じられない。

着目点は面白いはずなのだがいまいち作品としてうまくまとめられていない印象を受ける本書。
私は正直オススメできない。

☆☆(☆二つ)
他のBlogの反応はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20140411/1397170604
http://whitepage288.blog.fc2.com/blog-entry-491.html
http://d.hatena.ne.jp/deku_dec/20140330/1396129018
http://d.hatena.ne.jp/gowest/20140317/p1
http://asazou.blog.so-net.ne.jp/2014-05-25-2

開成高校野球部にあった非常に優れたセオリーに着目しているだけに残念。






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