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単なるコラム集です:「空き家」が蝕む日本 [社会]


(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

(036)「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)

  • 作者: 長嶋 修
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2014/07/08
  • メディア: 新書



長嶋修の本にしてはイマイチ。

その理由は、タイトルが「空き家」問題というホットな話題になっているものの、内容が単なるコラム集のような中身なので、筆者の本を読んだことがある人には既視感のある内容になってしまっている。
もうちょっと掘り下げてもらわないと、お金と時間を使う意味は無い。

新書によくあるタイトル詐欺と言ってしまえばそれまでなのだが……。
【目次】
第1章 日本の不動産、現場からの疑問
 転職し、不動産仲介部門の現場へ
 日本の経済、文化のなかでの不動産とは?
 価格査定の驚くべき実態/物件情報の囲い込み
 売却依頼チラシのウソ 
 建物の知識は問われない「宅地建物取引主任者」
 不動産の価値と住宅ローンの奇妙な関係
 入居直後から「債務超過」になる?
 他の国はどうなっているのか?
 不動産売買の仕組みを欧米と比較してみる
 もう、自分でやるしかない

第2章 「空き家」が増え続けるのはなぜか?
 空き家対策に多額の税金を使う時代に
 二〇四〇年には全国各地で「お隣は空き家」に?
 空き家率が三〇%を超えるとどうなるか?
 なぜ「空き家」はそのまま放置されるのか?
 有効な「空き家問題」の対策はあるか?
 日本の住宅政策に欠落する「住宅総量目安」
 価値ゼロ住宅はなぜ量産されたか?
 中古住宅価格を維持する「生活者重視」の政策に
 リタイア後に住み替えが難しい理由
 中古住宅を再評価するための方法
 中古住宅市場を整備するために

第3章 日本の住宅はなぜ寿命が短いのか?
 木造住宅、マンションの本当の寿命は何年?
 建物の寿命は延ばせる
 木造住宅の劣化の原因
 マンション劣化の主な原因
 マンションの都市伝説と耐震性
 一戸建てとマンション、地震に強いのは?
 耐震性の分かれ目の年がある

第4章 賃貸住宅が貧弱なのはなぜか?
 賃貸住宅後進国、ニッポン
 「新築持ち家」偏重の住宅政策
 先進国で家賃補助がないのは日本くらい
 住宅政策の予算配分に偏りがある理由
 大家さんを困らせる時代遅れの「借地借家法」

第5章 物件情報はこうして囲い込まれる
 物件情報の囲い込みは暗黙の了解?
 不動産仲介業はどうやって儲けているか?
 業界の常識は世間の非常識?
 不動産仲介の健全化には法改正が必要
 あなたが売主になったとき、できることは?

第6章 エネルギー問題と住宅政策
 日本の経常収支は悪化の一途
 原発再稼働しか道はないのか?
 エネルギー政策を転換するドイツ
 地域を潤す「小規模分散型」
 既存住宅を対象にした省エネ政策
 再生可能エネルギーを軸にした地方分権型社会へ

第7章 海外シフトする不動産投資
 滞留する国内マネーをどこに振り向けるべきか?
 活況を呈するアジアの不動産市場
 高度経済成長前夜のフィリピン
 生産年齢人口が増え続ける国
 セブ島の事例
 海外の不動産投資先を見きわめるポイント

おわりに


本書で書かれている内容は大きく
①日本の不動産業の問題点
②空き家をめぐる政策
③海外不動産投資のすすめ
の3点だ。

まず、①の日本の不動産業の問題点。
これは筆者の得意分野で、提言には一定の説得力が有る。
例えば、中古取引の両手が認められていることなどが最たるもので、弁護士が双方代理をすると法律違反で資格停止にもなりうるのに対して、不動産仲介は双方代理を狙うのが当たり前となっている。
これで損をするのは、物件の売主で、物件を早く・高く売るチャンスを逃してしまっている。

その他にも借地借家法が強すぎて賃貸物件が貧弱なレベルで固定されている問題(これは橘玲も同じことを言っている)など、指摘事項は最もで納得できることが多い。

ここまでが本書で価値を見いだせるところだ。

この次の②「空き家問題」については、公的規制で新築を抑制するという共産主義的な主張が行われている。問題の指摘はいいのだが、提示される解決策が短絡的で、しかも、先進諸外国で新築規制が行われているように取れる問題ある表現になっている。
筆者は不動産業のプロであるのだから、「公的規制」のような単純な解決策ではなく、固定資産税制や容積率の制限緩和を駆使するなどの、現実に則した解決策を考えて欲しいものだ。

最後の③海外不動産投資のすすめは完全に筆者の商売。
セブ島の不動産投資を推していた人は他にも居た気がする。セブ島の不動産は日本に売り込むためのインセンティブが多いのだろうか?

と、薄い本の割に読み応えのある部分が少なく、その少ない部分は既視感が有る。
筆者も力を入れて書いていないとは思うのだが、やや残念な内容だ。
筆者の他の本を読むと、もうちょっといい本が書けるだけの力はあると思えるのだが……。

☆☆(☆二つ)

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